インタビュー

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気軽に話せて、聞けて、子どもの窓口となれる医院を目指しています。

お子さまの体調は変化が早いものです。重篤な状態でないかどうかを見極めるため、しっかりとお話を聞いて迅速に検査するように努めています。地域の患者さまが受ける医療に遅れがないように、日々スタンダードな医療を勉強するように心がけています。

医師を志したきっかけ、小児科を選ばれたきっかけを教えてください。

両親がこの地域に根ざした医院をやっていましたから、やはりその姿に影響を受けたことが大きいです。救急医療が整っていなかった時代の昔ながらの医師で、献身的に朝から晩まで地域医療に携わる姿を見て育ちました。母親が内科、父親が産婦人科の医師でしたから、赤ちゃんからご年配の方まで訪れる、そんな環境でした。

小児科の医師を目指したのは、臓器別の専門領域を扱うというよりは、全身のあらゆる疾患を診る診療科だからです。研修医の頃から、いずれは地元に戻って幅広い病気の窓口になる医院をつくる目標もありましたので、小児科なら目標とも地元のニーズとも合うと考えました。

初めて来院された患者さまに対して、心がけていることがあれば教えてください。

地域柄でしょうか、フランクな雰囲気の方が親御さまも入りやすいと思っています。スタッフもお子さまの気持ちを察して、お声がけしたり、診察室に入る前にぐずっていたらあやしたり、私が言わなくても雰囲気を和らげてくれますのでありがたく思っています。医師としても「先生」ではなく、お子さまと同じ目線で接することを心がけています。

診察においては、お子さまの全体を見て、機嫌の悪さや重篤感といった肌で感じる雰囲気をキャッチするように心がけています。もちろん検査データも見ますが、重篤な状態の子どもは言葉が出ないなど、おかしいと感じるところがあるものです。早期治療につなげるためにも診察室に入ってきたときの印象を大切にしていますね。またご両親の直感も同じくらい重要ですので、ご両親のご意見は真摯に受け止めて診察しています。

診療のモットーを教えてください。

その時代において一般的な治療には遅れることなく、医療をアップデートしていくことです。私が研修医の頃に受けた医療と現代の医療とでは常識もガラッと変わっています。医療は日々進歩していますので、学会へ赴いて新しい情報を得たり、専門医の資格を更新するために勉強したりすることで、その時代の「スタンダードな医療」を提供できるように努めています。当院で対応できないことは大きな病院に任せながら、地域の患者さまが受ける医療に遅れがないように努力することも開業医の仕事だと思っています。

当院で対応できない治療や検査が必要な場合は、基幹病院と連携してしかるべき治療が受けられるようにいたします。

病院が苦手なお子さまへの工夫や喜ばせるために行っていることを教えてください。

処置や検査などはなるべく痛くないように済ませることです。たとえば血液検査のための採血も、当院では微小採血と言って指先から少しだけ採る方法を採用しています。ほとんど痛みを感じることなく結果は5分程度出るので、検査はスムーズです。負担の少ない処置だと分かれば、お子さまが嫌がったりすることも少ないですね。また、当院では親御さまも処置室に一緒に入って抱っこしてもらうなど、協力していただきながら処置していますので不安も和らぐかと思います。

そのほか、注射のあとに貼る絆創膏にキャラクターの絵を貼り付けたもの。注射のあとにこれをお子さまに貼ってあげると途端に泣き止むこともあるんです。これは、長く小児医療に携わっている看護師のアイデアと実行力で生まれた工夫です。

患者さまにメッセージをお願いいたします。

最近は子育てを一人で抱え込んで、誰にも相談できない環境に置かれている親御さまも多いですが、病院だからと言って遠慮せず、お子さまの健康や成長に関わることなら何でもご相談ください。冬期や感染症の流行する時期などは、どうしても診察に時間をかけられないこともありますが、医師やスタッフにお話ししていただくことで、糸口が見つかることもありますので、気軽にお声がけいただければと思います。